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劇団唐ゼミ☆ 椎野裕美子のつれづれ

テント役者のあられもない日常をつづります。

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人間ドック

人生80年。
その半ばを過ぎましたので(思えば遠くにきたもんだ)
一度は受けなければならないのでは…と一念発起して行ってきました。

人間ドック。

近所の老舗機関は全然予約がとれませんでしたので、
オープンしたての新横浜のビル15階にあるクリニックを予約。
待合室はホテル的ラグジュアリー空間が展開されていました。

個室に通され窓も広々。
15階ともなりますと眺めはそこそこよし。
間接照明や窓の装飾など工夫されていました。

今回胃カメラをやりましたが、
2015年と2018年にアニサキスという食中毒(胃壁に寄生虫が噛み付く)で
お世話になった時以来の体内インサート。2018年は授乳中ということもあり、
あらゆる麻酔ができない中での壮絶な内視鏡手術でした。

↓詳しくはこちらをどうぞ
2015年7月のアニサキス日記
2018年唐さんの誕生日にアニサキスにかかった日記1
2018年唐さんの誕生日にアニサキスにかかった日記2

両目から涙をこぼし、
胃に空気と水をいれながらの処置でヒキガエルのような音をだして
(「ゲップしないで息止めてくださいね〜」といわれ)、
かつてはこういう拷問も存在したかもしれない…
ということも考える余裕もないまま、
手術にあたっている若手インターンと先生の
「もっと奥にいるんじゃない?そこそこ、あ〜、いたね〜」
という会話を
看護婦さんの手をにぎりしめながら聴いてていました。

ま、ということがあったので、
胃カメラは完全に寝ているうちに終わる、
鎮静剤使用パターンを秒速で決めました。
お陰でまったくノンストレス。
胃カメラは鎮静剤使用パターンを強くお勧めします。

さ、結果は数日後。何にもなければいいなぁ。

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↑クリニックらしからぬ雰囲気のクリニック



たしかにそうだ

お久しぶりです。
(「毎日書く」とか「週2で書く」とかよく誓ってますが、
本当にものの見事に詐欺でございます。)

twitterは比較的更新しているのですが、
ことブログになると何かまとまったことを書かなくてはならないのではないか、
ついつい更新せずにおりましたが、今日父と話して、
「twitterで書いたことでも転載したら?更新してないよりマシだよ」
という助言を頂き、それもそうだ。と感じ入り、
こうしてブログを更新している次第です。

お元気ですか。

ここ最近の近況報告としましては、唐ゼミで行なっていますワークショップ

『唐十郎戯曲を読む』
(毎週水曜 19:30〜 参加費1000円)
top中野WS2021_4

そして

『とくめぐみの俳優ワークショップ』
(隔週日曜 16:30〜 参加費1000円)
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が徐々に盛り上がりを見せており、唐さんの作品を「面白い!」
と思ってくださる仲間が少しずつ増えていくことが楽しみでなりません。
やっぱり、一人でも多くの方に「唐さんってマジ面白いなぁ」と思って頂きたい。
そして面白がる仲間を一人でも増やしたいと思っています。

そんなこんなで今日は宣伝に終始してしまいましたが、
今度は、愚にもつかないことをつれづれに書き記していきたいと思います。

それでは。また。

録る。

少し時間があくと、戯曲を読みながら録音しています。
スマートフォンにボイスレコーダーがついてから
気軽にできるようになりました。
そして、ひたすら聞きます。
目だけで読んでいる時にはわからなかったことが
音で聞くことでわかったり、
「ここ適当に読んじゃってるな」という
自分の理解できていない箇所がわかるようになりました。

以前、久保井さんに「唐さんの作品を理解するためには
どうすればいいですか?」という質問を投げかけた時に、
「俺は、毎日最初から最後まで全部読んでるよ。2回くらい。」
ということを言われ
(この話は、先日受講した「唐戯曲を読む!」の
第1回ゲストの赤松由美さんも講義内で言っていました。)
「毎日」「最初から最後」まで読むなんてハードル高い…
と絶望していたのですが、録音してしまうと、ながら聞きができて、
ハードルが低くなることに気づきました。
(もちろん集中して読むことも大切ですが)

自分の声を客観的に聞くのが苦手な方もいると思いますが、
結構楽しいですよ。

さてさて、

明日はワークショップ「唐十郎戯曲を読む」です。
『盲導犬』を読みますよ。

ふくろ

『盲導犬』の序盤のシーンで、
婦人警官サカリノとフーテン少年の「袋」問答があります。

シンナーの袋を手にして少々ラリっている少年と
補導しようとする婦人警官。

婦人警官   いまあたしのことナントカ犬って言ったでしょ。
フーテン少年 言わないよ。
婦人警官   いったよ。その袋の中で、こっそりときみ言ったよ。
フーテン少年 袋の中で?
婦人警官   袋の中よ。
フーテン少年 どの袋だい?
婦人警官   とぼけないでよ、きみ。非行の甘き袋のことさ。
フーテン少年 これは俺の三つめの肺さ、袋なんてと言わないでくれよ。
俺の肺と言ってくれ。袋にはこりごりしてるんだ。都会は袋だらけ。
どこに行っても袋のねずみさ。女のおまわりさん。お願いだ。
袋、袋といわないでくれよ。それから、俺の前にあまりくさい袋をちらつかせないでくれ。
婦人警官   あたしが何をちらつかせるって?
フーテン少年 おまいさんの臭い袋だよ
婦人警官   あたし、そんな袋持ってないわよ
フーテン少年 そんなこと言ったってだまされないよ。(スカートをめくって)ここにある袋だよ。

この「袋」問答、自分が出産するまで本当によくわかっていませんでした。
そもそも「母親」のことをなぜ「おふくろ」と呼ぶかなんて考えてことありませんでしたし、
自分の身体の中に生き物が生息していることをリアルに実感した妊娠体験を得てやっと、

「あ、あたしって袋だわ」

と思うにいたったのです。女は袋になりうるのです。

子宮の中にできた豆粒ほどの赤ん坊が、
わたしの体調を支配し(ひどいつわりでした)、
その豆粒を守るために、「袋」と化す。
そう、それは確かに「袋」でした。

そして、唐さんがやたらと「袋小路」という言葉を使うことも、
よくわかっておらず深くも考えていませんでした。
青年の行き詰まり、人生のドン詰まり、閉塞感。
そしてシンナーの袋、都会の袋、袋のねずみ、「袋」から連想される、
少年の人生の背景に思いを馳せることもなく
フーテン少年と婦人警官の「袋」問答を
「なんでわざわざこんなへんちくりんな会話してるんだろう」
と思っていたのでした。

フーテン少年は、
子宮にむかって「女のくさい袋」なんてひどい悪態をつくけれど
最終的に、自暴自棄になるフーテン少年をみて
「世の中にはこんな袋もあるのよ」と補導をやめて去っていく婦人警官。

なんだよ、結局いい加減悪態ついて甘えて
それでもゆるしてもらいたいなんて少年はずるいこと考えてんな。

と、袋(私)はブツブツと独りごちたのでした。

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蜷川君に戯曲、書くよ

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冬樹社(とうじゅしゃ)から出ている唐十郎全作品集。
それには、各巻にふろくがついていて
俳優、評論家、作家、演出家などが文を寄せています。
昔(今も?)戯曲を読んでわからず途方にくれたときにながめ、
唐さんの作品や、状況劇場のなんたるかを
わかったような気になっていました。

2月のワークショップは『盲導犬』ということで
そういえば蜷川さんがふろくのどこかで書いていたなあと
思い出し、取り出したのは第4巻。

ふろくの3ページ目に、
「唐十郎の演出」
というタイトルで蜷川幸雄さんが文章を書いていました。

71年の秋に現代人劇場を解散し、NHKで西行法師を
演じていた蜷川さん。
(あれだけ政治的な劇をやって、
「集団もなくなったし俳優でもやるか」と思って、
NHKに出演できるのだからすごいコネクション)
しかし、蜷川さんは仲間の取り調べという名目で
警察から毎日訪問を受けて、結局、役を降ろされてしまいました。

ああ、次は秘密結社みたいな集団をつくろうかなぁと
考えていた72年の春。
状況劇場の「二都物語」を見に行きます。
不忍池にそそりたつ紅テントやら、美術やら、役者やらに
完全にヤラれてしまって、「もう唐さんの演出助手になろうか」
なんて考えていると、客のいなくなったベンチに唐さんが現れ
こう言いました。

「蜷川君に戯曲、書くよ」
「現代劇がいい、時代劇がいい、旗本退屈男みたいのはどお」

(なんて、気軽な。
せめてわたしも「君に一曲歌をかくよ」とか言ってみたい。)

数日後には、「蜷川くんは動物が好き?」と電話があり
その数日後には「戯曲が出来上がったから渡すよ」と電話がありました。
とんでもないスピード。

唐さんから渡されたのは「盲導犬」(澁澤龍彦、犬狼都市より)
と題された原稿。文字は1ミリの小さな生き物のようだったとのこと。
(へええ。『盲導犬』の本当のタイトルは副題がついていたんですね。)

蜷川さんはその後、作家の清水邦夫さん、俳優の蟹江敬三さん、
石橋蓮司さんとともに「櫻社」を結成。73年春に「盲導犬」を上演。

この公演、「戯曲を賞めたけど舞台はけなした」と
蜷川さんは小石を蹴っていましたが、
山陽本線の汽車の中で偶然居合わせた女性に
「蜷川さんですね、
今でもあの芝居を思い出すと鳥肌が立つんです。
唐十郎さんによろしくいってください」
と声をかけられたところで、文章は終わります。

1971年、72年、73年、
状況劇場にとっても『吸血姫』『二都物語』『ベンガルの虎』
と傑作が続いていた頃。

そういえば、蜷川実花さんいつ生まれたんだろうと
調べて見ましたら、1972年10月。
いろんな傑作が生み出されまくった数年間ですね。

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