痩身剛腕記

劇団唐ゼミ☆ 椎野裕美子のつれづれ

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虫に噛まれていた話 2

ということで、今年のアニサキス話の続き。
(第一話はこちら

1時間半の待機宣告を受け、
待合椅子3人分を使って足を大きく開き、
まぶたをピクピクさせながら痛みをやり過ごした約40分後。

「手術の準備ができました」
「ありがとうございます(意外に早いじゃねえかこのヤロー)」
そこで看護婦さん登場。
「ここからは私が手術室まで案内しますね。大変でしたね。もうすぐですからね」

一気に優しい対応になり、じわっとくる。
そうなの。あたし結構大変だったの。
ま、これで一気に楽になるってもんよ。へへっ。
勝ちを確信した私。

ただ、そうは問屋がおろすはずもなかった。

「眠くなるお薬使いますけど、大丈夫ですか」
「実はいま授乳中で」
「えっ!授乳中なんですか?」
(なにやらノートをめくる看護婦さん)
「うーん。このお薬は1週間くらいは母乳から出てしまうんですよ」
「ということは・・・」
「母乳飲ませるのやめるのとか難しいですよね」
「む、難しいです」
「じゃ、、、、頑張りましょう!!!」

そう、何を隠そう、前回はこの「眠くなるお薬」をやったために
気がついた時にはお腹から虫が摘出されていた。
今回は、覚醒したまま、内視鏡をやるということか。
想像するだに、恐ろしい。
胃カメラ麻酔なしって、え?みんなやったりする?
あんまりきいたことないけど。え?え?
オエってなって、ウグってなって、それから先は未体験ゾーン。

「ね!頑張りましょう!!ね!」
「が、がんばります」

ジーザス。
だが、看護婦さんの顔は光輝いていた。
その輝きだけが私の救いだった。

前回同様、ゲル状の喉麻酔薬を口の奥にため、
時間が経過するとごくんと飲み干す。
相棒の点滴ポールに寄り添い、手術室の中に入る。
熟練の医師と若い研修医。
研修医の実験台になることは火を見るよりも明らかだった。
研修医にやってもらうのは、眠くなる薬をやっている人に限るっていう
わけにはいかないでしょうか。
喉まで出かかったが、喉の麻酔が効いているからか
言葉として表にでることはなかった。

手術台に横になり、内視鏡用のマウスピースを咥えさせられた。
若い研修医が名前を言った。どこの誰でもよかった。

「それでははじめます」

あまりの恐ろしさに全身がかたく緊張した。

「力を抜いてくださいね。大丈夫ですよ」

看護婦さんはどこまでもやさしかった。
しかし歯を食いしばることもできず、どう耐えていいのかわからなかった。

「そこで水いれて。そうそう。次、空気ね。いないねぇ。もう少し奥いこう」

空気に耐えられず、何度もヒキガエルのような音が口から漏れ出る。
痛みで涙がこぼれた。痛いと人は泣くのだ。

「ちょっと空気我慢してください」

これ以上、我慢せねばならないとは。
たった5切れの小さなシメサバを食べたばかりに。
く、くやしいぃ。

「うーん、いない、いない、、、あっ!いたっ!」

ほら、いたじゃないか。やっぱり手術してもらってよかった。
熟練の医師と研修医の「そこ掴んで」「水流して」の掛け合いはしばらく続き、私の涙も流れ続けていた。

「よし、これで終わり」

体内から、ケーブルが引き抜かれた。
疲れた。本当に疲れた。よかった。本当によかった。

あまりに疲れたので、看護婦さんに写真を撮ってもらった。
虫とのツーショット。

この経験が、人の笑いとなってくれればいい。
そう願うばかりである。

IMG_1204.jpg
(笑顔に無理がある。こんなときだからVサインだ。)
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